前いた会社の同期が東京から大阪に異動になったらしい。
彼が最初に配属された部署は元研究開発の人たちがほとんどの部署で、採算を考えない部署だった。作る製品の品質は低く(多分研究開発の人たちの作るものはプロトタイプが主で、完成度が低くても許された)一度販売したものを回収する確率が9割という恐ろしく数字が出ているらしい。問題点を挙げだしたらきりがないのでここら辺にしておく。 彼は、まだ若いためか部署の問題点を上司に事あるごとに指摘した。話を聞く限り正論だが強烈なものの言い方だったようだ。2,3年後彼は、新しく買収した会社に異動になった。上司から見れば厄介払い、彼から見れば好きな仕事(製品企画の仕事)ができる部署に異動ということで、両者の利害が一致していた。 その1・2年後、彼は営業になっていた。そして、その1年後今回の異動になった。今回の異動までに勤務地の異動は4回。 昔の偉人は「武器を持たない預言者は失敗を避けられない」と言ったらしい。彼は、預言者のごとくに上司に説明した。「そんなことしてたら失敗しますよ」と。占いでもそうだが人は都合の良い事しか聞きたがらない、都合の悪いことをいう人は排除する傾向がある。しかも、当たってそうで聞きたくない予言は特にそうだ。そして、なんの武器も持たない彼は排除された。預言者は自身のことを予言するのは難しいのだろう。 このことからわかるのは、平社員の仕事は上司の器の範囲内でしかできないということだ。これは、平社員が有能でもそれを使う上司が器が小さい場合平社員を使い切れない、素質を見抜くことができない、つまりは有能な社員を使うことができないということだと思う。 しかし、日本企業には多くの有能な平社員がいる。それはなぜか、上司に言われることなく自律して仕事をしているからであるだろう。上司に説明等をしなければ、上司に反感を買うことなく仕事を達成することができる。しかも、今までは年功序列システムが働いていたため評価システムは完全に動作していたのだろう。 そうとわかっていても彼の失敗は僕にとってショックだ。やはり、あまり有能でない上司の下にいて成功を望む場合は上司の20手ぐらい先を読んで行動しなければいけないのだろう。つまり、強大な力を見せ付ける必要がある。それができない時は…じっと我慢するしかないのだろう。 結論としては、才能を生かすのは難しいということだ。 以上
by ma2mura
| 2004-07-21 04:24
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